「姉ちゃんっ!!ちゃんと断ってんのかよっ!!」 何故か私に食って掛かるポップに真顔で呟いたら(私わるくないのに)、こっちのおいてけぼり感をガン無視したヒュンケルが夢見がちなことを言い放った。ああもうウッゼエなこいつ。何でこっちが空気嫁的な顔されなきゃいけないんだよ。愛に生きるって聞こえは良いけど私にしてみれば半分ストーカーだぜ?厄介なことこの上ないわ。隙あらば口説きに来るし。結果的に仲間になったからいいけどさ……。 アンニュイな私をちょっと見かねたクロコダインが魔王軍の本拠地の偵察に行くと言ってヒュンケルを強制連行で引き剥がしてくれた。ありがとう獣王!!明らか人外のあんたが一番まともな神経してるってどうなんだろうね!! 「…束の間とはいえ傍を離れてしまうオレをどうか許してくれ」 お、おう。許すよ。許してやるから早く行けよめんどくせえ。
まあそんなこんなでベンガーナ、テランと原作どおりに展開していったので私は弟のフルボッコ阻止のために竜騎衆と対戦する場に弟を追っかけて行ったわけだが。 「鳥野郎てめえは殺す」 鳥、即死。私の弓矢の腕を舐めんな。鳥なんて何匹打ち落としたと思ってんだ、アバン先生に鍛えられて今じゃ百発百中だっつの。うちの弟を崖から突き落とすなんて百回殺しても足りない大罪だし死んどけ。バランがうっかり横をすり抜けて行っちゃったけど、私にとっては弟の死亡フラグを叩き割るのが目的だから、とりあえず見逃しておく。どうせ後で追いつくもんね。 「身の程をわきまえんガキどもめ!!貴様らなんぞがバラン様に手を出そうなどとは百年早いわ!!」 ポップが放ったメラゾーマをトド(ボラホーンね、名前忘れるトコだったいっけね☆)が凍てつく息で掻き消したのでムカついて矢を構えようとしたら何故か一瞬でトドの背後にいた。あ、あれ? 「危険だ。下がっていろ」 急に背後で声がしたのでイヤな予感がして振り向いたら、陸戦騎さんが何故か私を姫抱きにしていました。 「私、敵なんだけど……」 うわあ半魔とはいえイケメンにすごいカッコイイこと言われた。でもね、そういうのって初対面の相手に言う台詞じゃないと思うな。少なくとも敵に言うのはおかしいよね。どこぞの不幸系不死身男子じゃあるまいしさ。ツッコミ所が多すぎてどこからツッコめばいいのか迷っていたら、一人で苦戦していたポップをヒュンケルが助けてボラホーンをスタイリッシュに殺り、姫抱きにされている私を見つけて顔色変えた。 「…!!貴様ッ…婦女子に手を出すとは!!」 ラーハルトは自信たっぷりな笑みを浮かべて私を下ろすと、槍をヒュンケルに向けた。うん、イケメンなのは良くわかった。しかしだな。物事には順序ってものがあってだな。 「オレは陸戦騎ラーハルト……夫になる男の名だ、よく覚えておけ」 いやならないですし。 「ふざけるな!は渡さんッ!!」 あんたのものでもないよ。 「姉ちゃんは誰にも渡さねえッ!!」 姉ちゃんもこいつらのものになる気は無いってば。
陸戦騎参戦
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槍使いもストーカー化。
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