< 一時停戦申込



、答えてくれ。オレとこの男のどちらを愛しているんだ」
「わざわざ答えるまでも無いだろう。お前はオレのものだ」
「だから姉ちゃんに近づくなっつってんだよっ!てめ離れろ!半径2メートル以内に入ってくんな!!」
「あのーこういう感じなんでちょっと休戦でいい?バラン」

テラン城に付いた私は、後ろからしつこく絡んでくる2名の残念なイケメンを弟が必死こいて追っ払おうとする様を遠い目で見ながらクロコダイン先輩とバトッているバランに話しかけた。うぜええええええ。疲れる。すごく疲れるが、このままにしておくとグダグダになるのは間違いない。

「まず二人に申し上げたいのはね、私は最初からどちらとも男女交際をしていないって事でね」
「フ……奥ゆかしいな。オレはお前のそんな素直じゃないところも可愛いと思っている」
「恥らって見せるのもいいが要らん虫など寄せ付けるんじゃない。オレが守りぬいてやるがな」
「うん何も通じてないねコレなんてメダパニ?」

連中には言葉が通じなかった。意思疎通が不可能なのだ。これは文明的な生活を営む上で非常に重大な欠陥といえる。話を聞け。そして現実を見ろ。お前ら2名のめんどくさいナンパに時間取ってる場合じゃねえんだよこっちは。弟の死亡フラグ破壊がかかってるんだよ。惚れただの腫れただのと腑抜けたこと言いやがってキンタマ潰してやろうかな。

「ラーハルトよ……その辺にしておけ」
「バラン様…!」

私が暗黒闘気を発しそうなカンジで切れかけていたらバランがラーハルトを制した。そうだよ止めるんだよ。こんな事やってる場合じゃないだろ?ダイだよ。今一番大事なのはダイのことだろ。お前ダイを奪いに来てて私達と戦ってるはずだろ?なに女口説き落とそうとしてんだよTPOをわきまえろ!

「彼女と結婚したいのであれば私に紹介するのが筋ではないか」

オーマイガッ!違う、そうじゃない!何とんちんかんな事言ってるんだ竜の騎士!冥竜王とガチンコやりすぎた所為で頭のネジが5、6本飛んでんじゃないの!?これだから筋肉馬鹿の相手は嫌なんだよ。そして私は最初から何一つ了承していないよ!!このイカレた槍使いが勝手にほざいてるだけだよクロコダイン先輩助けて!と思って振り向いたら先輩はレオナにベホマで手当てされてご休憩中だった。Oh…。ポップだけが私の味方だ。どうしよう心許なさがハンパない。

「いやいやいや!結婚とかまだ考えたこと無いし、まだ19歳で若いしさ」
「何を言う。バラン様の奥方もお前とさして変わらん年頃で夫婦となられた」
「でもほら敵対する状況で結婚って一足飛びに行くのもどうかと思うよね、大体お互いのこと何も知らないし」
「これから知っていけばいいことだ」
、お前をこの男の元になど行かせん!」

ヒュンケルが割って入ってきた。行かねえよタコ。お前のところに行くわけでもないけどね!不幸系不死身男子はエイミさんとキャッキャウフフしてりゃいいんだよ。

「一体何が問題なのだ。竜騎衆最強たるオレのどこに不満がある?」
「ていうか敵だし」
「……良かろう」

一番重要なことを言ったらようやく話が通じた。ここまで来るのに一体どんだけ説明しなきゃいけないんだよ。あーもう疲れた。さっさと諦めてバトル再開し「バラン様、停戦いたしましょう。」

「なっ!?」
「!?」
「敵味方が問題ならば一度戦いを止めてお前を仲間に入れてやる。それで解決だ、さあこちらに来い」
「やっ、ちょっ、」
!くそっ手を離せ!」

ラーハルトの手が強引に私を手を掴んで引っ張り、ヒュンケルが慌ててそれを阻止して、不安定になった私の身体が後ろにいた何かを巻き込んで倒れて、あ、ダイだ出て来ちゃってる、と思ったら私の側頭部とダイのおでこからゴン!!と音がした。

「いっ!たっ!!」
「いってえ!!…うう、もうっ……何するんだよー!」
「え?今って言った?お姉ちゃんって呼んでなかったっけ?」
「お姉ちゃん?何言ってんのさ、はポップのお姉ちゃんじゃないか」


うおおおおいダイの記憶戻ったーーーーーーーーーーーーー!!!!


一時停戦申込



「おおっよくやったぞ!」
「ダイ!!姉ちゃんすげえっ!!」
「良かったわ…!」
「フ…流石はオレの恋b「ねえよカス」…」

長兄がすごく鬱陶しい。

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