弟の死亡フラグが回避できたからこれで安心して眠れる、と思ったら今度は私の方が詰みそう。
なんでかって?

「やっと二人きりだな……」

ヒュンケルに押し倒されているからだよ。

……これで正式に一緒になれる…」
「ならねえよ!?最初から今まで私は一度も了承した覚えは無いからね!?」

どういう事かというと、ダイは最終的にバランに勝った。バラン的には素直になれなくって暴力に出たら思いの他息子が強くなってて感動したらしい。もう好きにしていいよパパ帰るよってことで「ー!!」と叫ぶ部下を引っ張ってご帰還なさった。バーンのトコには戻らないけど温かく見守るんだってさ。良かったねダイ。

で、竜騎系男子の毒牙からは一旦逃れることが出来たわけだが、これにより不死身系男子であるヒュンケルが調子に乗った。ダイの勝利→バラン撤退→ラーハルト撤退→私にプロポーズ(プロポーズに至るまでの重要な全工程を省きやがった)という図式で滞在中のパプニカのどこかの部屋に連れ込まれて押し倒されて今に至る。

何度でも言うが私はこいつの恋人でもなんでもない。愛した覚えすらない。勝手にストーキング紛いの勢いで仲間になってきた男に迫られている被害者だ。
だって無駄にイケメンな上にチートなタフさと強さを誇る男が勝手にセコムしてるから普通の恋愛すらできないんだよ?間違いなくストーキング及びセクハラだろコレ。お前が威嚇するから推しメンのアポロさんが最近目を合わせてくれなくなっちまったじゃないかよどうしてくれる。私は安定した高給取りの男がいいんだ察しろ文無し。

「結婚しよう
「しねえよ。恋人ですらないのに何言い出すか」
「…仕方ない、お前に合わせて恋人からでもいい…」
「普通恋人からだよ!動物みたいに突然交尾しないんだよ人間は!」
「オレ達は惹かれあう運命にあったのだ…問題ないさ」
「問題しかないよ!!ダイー!!ポップー!!ヘルプミーー!!!」
「二人はロモスに行ったぞ」
「うおおおなんでこんな時に限って!」

いかん詰んだヤられる。この体格差は勝てる気がしない。股間を蹴り上げようと思っても先読みされて足の間に入られているので蹴りようがない。両手首も片手でがっちり押さえ込まれて暴れようにもびくともしないし、何この馬鹿力信じられん。ヒュンケルって見た目以上にパワー系だよね!将来的に素手でオリハルコン砕けるようになるんだから当然か!私のプロテクターはFカップのおっぱいくらいだわちくしょう!

ああランカークスのスティーヌ母さんジャンク父さん、は本日不本意ながら貞操を奪われます。せめて普通の恋愛で処女を散らしたかったなあ。何でこんなめでたい頭した男に私の初物を献上せねばならんのだか。アバン先生もさ、もうちょっとまともな男を弟子にしてよ。

「さあ力を抜くんだ…これでようやく一つになれる…」
「バカ思い留まれこれはレイプだ強姦反対!!」
「愛し合っているから和姦だ」
「妄想だよ目を覚ま、ヒィィィ太もも撫でるなあああ!!!」

いよいよ年貢の納め時と目を閉じたその時、神様は私に最後の希望をくれた。

「猛虎破砕拳ーー!!!」

ドアを粉砕して乱入してきたのは修行に出てロモスで武術大会に参加していたはずの姉弟子だった。

「マァム!!?」
!!ダイとポップから話は聞いたわ!大丈夫!?」
「間一髪だったよありがとう最っ高!!」
「良かった…!」

マァムのDカップおっぱいに顔を埋めてここぞとばかりにほくほくしていると、私をがっちり保護したマァムがヒュンケルに激おこムードで厳しいお言葉をぶつけた。

「ヒュンケル!!同意も無しに部屋に連れ込むだなんてやりすぎよ!!」
「マ、マァム…!」
「今後彼女とどうこうなりたいなら私を倒してからにして頂戴。いいわね?」
「くっ…」
「い い わ ね !?」
「………わかった…」

うんなんかちょっと違うけど危機が去ったから許そう!しかし男前だな武闘家マァムは。こりゃ心強いセコムがついてくれたぞ!なんてったって最終的にはヒュンケルと同じようにオリハルコンを拳で粉砕するパワー系女子だからね。可愛い顔して中身が虎みたいなもんだから。
私も怒りを買わないように気をつけようっと。よかったマァムが味方になってくれて!


最強守護神降臨


!良かった、マァムは間に合ったんだね!」
「ギリギリだったわよ。二人ともヒュンケルを放置しちゃダメじゃないの」
「悪い姉ちゃん。てっきりこいつ修行に行ったって聞いたからよ」
「フ。出かけようとしたが忘れ物を取りに戻ってな」
「忘れ物って?」
「無論「死ね性犯罪者。」…」

ついに慈愛の天使にまで危険物扱いされる長兄。

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