「やっと二人きりだな……」 ヒュンケルに押し倒されているからだよ。 「……これで正式に一緒になれる…」 どういう事かというと、ダイは最終的にバランに勝った。バラン的には素直になれなくって暴力に出たら思いの他息子が強くなってて感動したらしい。もう好きにしていいよパパ帰るよってことで「ー!!」と叫ぶ部下を引っ張ってご帰還なさった。バーンのトコには戻らないけど温かく見守るんだってさ。良かったねダイ。 何度でも言うが私はこいつの恋人でもなんでもない。愛した覚えすらない。勝手にストーキング紛いの勢いで仲間になってきた男に迫られている被害者だ。 「結婚しよう」 いかん詰んだヤられる。この体格差は勝てる気がしない。股間を蹴り上げようと思っても先読みされて足の間に入られているので蹴りようがない。両手首も片手でがっちり押さえ込まれて暴れようにもびくともしないし、何この馬鹿力信じられん。ヒュンケルって見た目以上にパワー系だよね!将来的に素手でオリハルコン砕けるようになるんだから当然か!私のプロテクターはFカップのおっぱいくらいだわちくしょう! ああランカークスのスティーヌ母さんジャンク父さん、は本日不本意ながら貞操を奪われます。せめて普通の恋愛で処女を散らしたかったなあ。何でこんなめでたい頭した男に私の初物を献上せねばならんのだか。アバン先生もさ、もうちょっとまともな男を弟子にしてよ。 「さあ力を抜くんだ…これでようやく一つになれる…」 いよいよ年貢の納め時と目を閉じたその時、神様は私に最後の希望をくれた。 「猛虎破砕拳ーー!!!」 ドアを粉砕して乱入してきたのは修行に出てロモスで武術大会に参加していたはずの姉弟子だった。 「マァム!!?」 マァムのDカップおっぱいに顔を埋めてここぞとばかりにほくほくしていると、私をがっちり保護したマァムがヒュンケルに激おこムードで厳しいお言葉をぶつけた。 「ヒュンケル!!同意も無しに部屋に連れ込むだなんてやりすぎよ!!」 うんなんかちょっと違うけど危機が去ったから許そう!しかし男前だな武闘家マァムは。こりゃ心強いセコムがついてくれたぞ!なんてったって最終的にはヒュンケルと同じようにオリハルコンを拳で粉砕するパワー系女子だからね。可愛い顔して中身が虎みたいなもんだから。
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ついに慈愛の天使にまで危険物扱いされる長兄。
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