*Girl, don't be so "cute."*


唇を寄せると逃げるように顔を背けられた。


「ここじゃダメですっ」
「…」

ぴしゃりと返した彼女の顔は少し赤くて、意外と満更でも無さそうだ。
しかし場所に気を使っているらしい。
当然だ、今は馬に乗っている最中で、しかも隣では愚弟がこちらを見ながら呆れた顔をしている。
そんなもの無視してしまえばいいだろうに。

「気にするな」
「しますよぅ、」
「俺は気にならんが?」
「してくださいっ」

ほんのりと紅に染まる頬に隙を見てキスを落とすと、薄紅だった頬は熟れた林檎のように真っ赤になった。
同時にジュウザが盛大な溜息をついた。

「そこのバカップル、他所でやれ、他所で!」
「ふん、うらやましいか?」
「バカ言うな、鬱陶しいの間違いだろ。つーかホレ、そいつ今にも喚きだしそうだぜ」

ジュウザの言葉通り、そのあと直ぐにの高い声が砂漠に響いた。

「何するんですかぁぁ!!」
「フレンチキスだ」
「〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜っ知りません!リュウガさんのばか!!」

そういって臍を曲げたらしいの髪にまた悪戯をすると、はぶんぶんと頭を振って暴れた。

「もー!!だめですってば!」
「そうは言っても本気で嫌がっていないだろう…?」
「!」


わざと夜仕様の声で囁いてやると、は口を金魚のようにパクパクさせたが反論はしなかった。

"嫌よ嫌よも好きのうち。"

ちなみに隣を歩いているジュウザはというと、

「…俺もう帰りたい…」

ピンクな雰囲気に当てられて吐きそうだったという。


何気に雲狼にしようとして失敗。雲兄にしてみりゃいい迷惑。
ブラウザバックでお戻りください。