2006年初夏。

このお話が始まったのは、まだ月見里が米国でお勉強をしている時でした。
北斗にハマり、リュウガ兄様への有り余る愛から、どうにかしてリュウガ兄様を幸せにしてやりたくなりまして。

だってリュウガ兄様ったらさぁ、美形のクセにどん底に不幸なものだから!
おまけにマイナーで北斗サイトの一部でしか扱われない日陰キャラだったから!
月見里くらいしか書くやついないんじゃね?と思い立ち、小説を書き始めたわけでございます。

ですが、初めての原作沿い、しかもマイナーキャラお相手。
どーせ頓挫するだろうなぁ…そんであんまり読んでももらえないだろうなぁ…と思っていたのですが、予想に反し沢山の応援のお言葉や感想を頂けました。
もう、ホント嬉しくてですね。
こうして完結できたのも、皆様のお言葉があったからに他ならないです、マジで。
しかもまさかこんなに続くとは、この狼の目をもってしても見抜けなかった…時間かかりすぎなんだYO…。

結局書き始めてから約2年。
のろのろと書き進めていた初の長編夢も、皆様の応援を頂き続け、ようやく終わりを迎えることが出来ました。

ヒロイン設定の九条桐も連載当初に比べると随分骨太になり、リュウガ兄様は当初のドSからそこそこSくらいに丸くなった気がします。
ツンデレの宿命なんだぜ。
他のキャラもまぁ…色々と壊しちゃって申し訳ない…いやもうホントすいませんサウザーのくだりとか難産過ぎて自分でも正直わからんようになってますおいコラ月見里このドチンポ野郎ー!
もっと文章力があればと何度願った事か!
何度も消して没になった話も結構あったりしますし、この話入れなくて良かったんじゃね?っていうエピソードもあるんですが、まあ、ね!
一種の自分羞恥プレイとしてそのまま手を加えずに置いておこうと思います、うん!

しかしまぁ、妄想の勢いが溢れてオリキャラまで出して仕舞う始末でございますよ。
ここでディ・ロンというオリキャラを入れた言い訳をば。

ぶっちゃけ、彼は最初は入れない予定でした。
でもヒロインが良くある記憶喪失になってしまった為、急遽キャラを作って登場させたのです。
と、いうのも。

一旦リュウガから離れたヒロインには、もう一度彼に会うまでの期間、自分一人で生きていく能力がどうしても必要になりました。
でも記憶喪失状態の何の力もない女の子が一人ではキツイので、誰かめちゃめちゃシビアな教育係が欲しくなったんです。
ヒロインに「何かを守るために何かを犠牲にしなければならない」という事を理解させられるキャラが必要だったんですよ。けど、トキやケンシロウは優しいので、結局ヒロインは守られるだけになっちゃうし。

てなわけで。

頑固なリュウガの決意を無理矢理掴んで揺さぶるような、激しくて真っ直ぐで重みのある言葉をヒロインに言わせるには、相応の障害をいくつか乗り越えてもらわなければと。
で…重み、出たんか?と聞かれれば、文才が足らなかったのでそうでもなかった気もしますけど。

そういうことで、ヒロインに生きることの厳しさを教え、彼女自身の弱さや甘さ・迷いを理解させてくれる人間としてディ・ロンを入れたというわけです。
ジュウザの知り合いにしたのは、流れです。なんかああいう知り合いいそうだなーと。

所々に出てくる“神様”については、実は色々裏設定があるんですが、それはまた別の機会に。
一応フォローしますと、ヒロインに最も期待し、ヒロインを最も哀れんでいるのは彼女です。
で、そんな“神様”を一番大事にしてるのが彼女の付き人さんです。
この二人は出番がほとんどない上に言動が曖昧なものばっかりで、もうちょっと出してやればよかったなーと思わないでもないですが、メインの北斗キャラを食うことになると良くないのでこういう扱いです。

ちなみに、ジェヴォーダンの獣を抱きの本編はここまでですが、アフターストーリーなんかも機会があれば是非書いていきたいと思っております。
つーか雲の兄貴とリュウガ兄様をヒロイン交えて絡ませたいんです月見里一人が楽しいって話!すみません;;

リュウガと絡まなかった場合のIFストーリーでトキとも絡ませたかったんですが、ちょっとやりたい事多すぎるんで時間と余力があればにしときます。

最後になりましたが、本編を応援してくださった皆様、本当に有難うございました!!
すごくすごく心が温かくなり、おかげさまで最後まで書き上げる事ができました!
リュウガとヒロインのメインストーリーはここまでですが、これからもどうぞ気が向いた時などに覗いてやってくださいませー!


ではでは、以上で「ジェヴォーダンの獣を抱き」についての後書きとさせて頂きます。

2009年5月6日 月見里キナコ