Love Bite
大会で優勝を飾った当日の空が夕焼け色に染まる頃、トロフィーを持って宿に戻った私を、一晩生殺し状態で悶々とし続けて精神力をギリ
ギリまで消費し、私が大会に出ていくのと入れ違いで寝落ちしていたヒュンケルが出迎えてくれた。曰く、見に行けなくて申し訳なかった
との事。けれどそれについてはそもそもチケットを持っている関係者しか入れないところだし、チケットは完売しているん
だから全く気にならなかった。
それよりも、ヒュンケルが宿で待っていてくれたことの方が嬉しい。部屋にトロフィーを置いて宿を出て、少しだけ景気のいい食事を酒場
で楽しんだ。食事の後は宿に戻り、ラフな着替えを持って大衆浴場へ。ベンガーナの大衆浴場はそこそこ綺麗で、ドラゴンの襲撃時も運よ
く被害が無く、街の人たちの疲れを癒している憩いの場だ。
一人でゆっくりと浸かることができないのは残念だ
けど、全力で踊って汗もかいていて、早くさっぱりしたかったので文句はない。せっか
くだからヒュンケルも連れて行き、お風呂上がりにはお互いに濡れ髪で宿に帰って、二人きりの部屋でじゃれあうように濡れた頭を拭き
合って。
「あはは、髪の毛絡まっちゃう」
ヒュンケルの手からタオルを取り上げて、ベッドに腰掛けて櫛を取り出し、湿った髪をゆっくり梳かす。無造作に乱れていた髪が櫛の歯で
まっすぐ綺麗に整えられていく様子を隣に腰掛けたヒュンケルがじっと眺めていた。正しくは髪を説いている私を、だろうか。眉だけ書い
ただけのほとんどすっぴんに近い顔を見られるのは何となく恥ずかしい。
髪を梳かし終え、再度タオルドライして水分を拭き取って。髪の保護の為に少しだけ香油を混ぜたオイルを髪全体にまんべんなく磨りこめ
ば、
使い慣れたベリー系の香りがうっすらと狭い部屋に広がる。ヒュンケルには背を向ける形で荷物の中にオイルを片付けて、振り返ってどきりとした。こちらを見つめる彼が、まる
で獲物に目標を定めた雄の獣のような視線をぶつけてきていたから。
「え、と……ごめんね?がさごそやっちゃって」
「いや……」
低めの声が静かな部屋に響いた。今夜抱かれるだろうとは思っていたけれど、いざこういうムードになると、たとえ経験があろうとも、
やっぱ
り初回は多少緊張してしまうもので、探り合うような状態になってしまう。キスしようか、それとも抱きついてみようか、とか。ドキドキしながら隣に座り直して、数秒の沈黙が
続いた。私から行ってもいいけれど、初回くらいは、と考えを巡らせていたら、ふとベッドシーツが乱れて
いることに気付いた。直そうかな、と思い手を伸ばした時だった。
「あ、」
緊張が一瞬緩まった瞬間、後ろから思い切り抱きしめられた。ダイレクトなアクションに驚いているうちに、身体を反転させられて仰向け
に押
し倒され、右手で頭を固定されて深く深く口付けられる。口付けに応えている間も左手が服と肌の間に滑り込んできて性急に触れようとしてく
る。
「ん、……急がないで……」
「ッ…いつまで我慢すればいい…!?」
目を開けて見上げて、視界に飛び込んだのは雄の眼をしたヒュンケルの切なげで熱っぽい表情だった。下腹部が疼いてぞくぞくする。女の
身体が彼を欲しがり始めている。今度は左手で顎を固定されて、キスしながら右手で太腿をまさぐられる。このままだと服を引き裂かれか
ねない気がして、慌てて静止をかける。
「待って、服を…!」
キスの合間に声をかけるとヒュンケルの手がもどかしげに服を脱がせてベッドの脇に投げ捨てた。いつもなら服を投げたりする人じゃない
のに、初めて見たワイルドな行動に、男を再認識する。
お風呂上がりでブラはつけていなかったから、服を脱がされたら胸が露わになる。残る下着は紐パンのTバックのみで、お尻は完全に見え
てしまっている。動きを止めて私の肌をじっと見つめる彼の視線が急に恥ずかしくなって胸を隠すと、両手をひょいと取られて頭の上で片
手で軽がる拘束された。
「じ……じっくり見ないで」
「綺麗だ………」
うっとりと呟いたヒュンケルの銀髪が胸の上に下りてきて、尖り始めている頂点を舐められて熱い舌の感触に息を呑む。反応を良しと捉え
た彼は胸の先端を執拗に舐めて強く吸い上げる。性急過ぎる激しい責めに身体が反応して腰が浮く。このままだとこっちのペースも何もな
い。
「あ!っだめ優しく、っ、そ、んな強く、吸わないで、」
堪らなくなって首を振ると、胸への舌の責めが緩やかになった。尖った頂点を転がすような舌先の愛撫に、熱の混じった溜息が漏れる。腕
の拘束はいつしか解かれて、じっくりと胸を舌で愛撫している恋人の肩に手をかけたまま、押し返すでもなくただ快感に悶える。
「っ、も、や……おっぱいばっかりぃっ……!」
胸ばかり責められて、熱くなった秘所が切なくなりはじめる。もっと他の場所にも触れられたい。湧き上がる欲求を首を振りながら伝える
と、
ヒュンケルの指が残された下着にかけられて、するりと紐を解かれた。解いただけで下着の意味を失くしてただの布きれと化したそれもまた、
彼の手によって床のどこかに投げられる。
濡れ始めた秘所が外気に触れてひやりとする。胸への愛撫と彼に初めて抱かれることでこっちの身体もすっかりスイッチが入っていて、蜜
が溢れている。はしたないと思われないか不安で閉じようとした両足をヒュンケルの手が大きく開き、身体を足の間に差し込まれた。恥ず
かしさから反射的に顔を逸らす。目だけ動かしてみれば、ヒュンケルはじっと秘所を見つめている。
「さわって……?」
見られるだけで焦れて乞うように強請ると、ヒュンケルの指が1本、久しく侵入を許していない裡へと潜り込んできた。この世界に来てか
ら一
切男に抱かれていない身体だけれど、裡からの快感を忘れたわけではないらしい。剣を振るってきた彼の長い指を飲み込んでも痛みはそれほどではなかった。長い指が敏感な個所
を擦りあげて出し入れされる度に腰が揺れ、更なる快感を欲して刺激を誘う。感じ始めたこちらの反応でヒュンケルも差し入れる指をもう
一本増やし、強めの刺激を与えられ、声が漏れる。
「あんっ……!」
漏れた声が引き金になったのか、ヒュンケルは指を一度引き抜いて私の上に覆い被さると、深く舌を絡ませて口付けながら右手の指を2本
再び秘所に突き入れて内壁を擦りあげ、左手で胸をゆっくりと揉みしだいてきた。裡からの痺れるような刺激とキスの蕩けるような快感、
それに胸からの熱い感触で、声すらキスで飲み込まれて、火照った身体が軽い絶頂を迎えた。頭の奥が痺れて一瞬何も考えられなくなる。
唇が離れて息を整えながら、引き抜いた指をヒュンケルが舐める様を見て、次に来るであろう衝撃を期待してぞくりとする。覆い被さって
きた
ヒュンケルの下腹部には、既に屹立して固くなったものがあり、秘所と胸を責められている間中、ずっとそれが私の身体に当たっていたから。
ヒュンケルもこれ以上は限界なのか、ベッドから一度離れると手早く服を脱ぎ捨てて、絶頂の余韻に浸っている私の両足を再び大きく開い
た。
その時、一瞬彼の分身が目に入り、私の思考は現実に引き戻された。
「…………!?」
蝋燭の光で一瞬しか見えなかったけど、なんだアレちょっと待ってデカくない!!?長さも平均以上だし、なにより太さが!あれなんて鎧
の魔剣!?こんな最終兵器を持ってるなんて知らなかった。入ることは入るだろうけど、ちょっと覚悟が必要だ。
「ッ……いいな……!?」
「……出、出すのは外だよ、今できたら、」
「わかってる、」
太い先端が押し当てられて、下腹部に一気に迫る圧迫感。固さもあるのか。今までで一番の質量に中が押し広げられる。久しぶりの感覚に
微かに痛みを感じる。
「ま、待って、ゆっくり……ね……」
「焦らさないでくれ…!」
「だって……こ、こんな大きいの……初めてっ……あ…ああっ!?」
痺れを切らしたヒュンケルの分身が一気に奥まで突き抜けた。十分に濡れていた裡はひりつきはしたものの強い痛みを感じることはなく、
それ以上に内壁を穿たれる刺激で頭が真っ白になる。こんな快感知らない。過去の経験からくる余裕なんて一気に消し飛ばされてしまっ
た。痛みを見せる様子のない私を問題なし と判断したらしく、ヒュンケルが腰を前後に動かし始める。
「ッ!……は……!!」
「愛してる……!」
突き入れられるたびにびりびりとした快感がパルスになって脳内を蹂躙していく。溜め込んだ愛情をぶつけるような激しい律動におかしく
なりそうだ。乳首を強く吸われて、熱い刺激に仰け反る。胸元から首、キスされる度にぞくぞくする緩やかな快感で体の力が抜ける。見ら
れてい る。自分で見たことの無い部分まで。初心なはずの彼に激しく求められている事が恥ずかしくて一層感じてしまう。
抱きしめられながら責め立てられて、息も上手く吸えないのに絶頂する。恥ずかしいのに気持ちいい。衝動のままに腰を打ち付けら
れてキスで蕩けさせられて、快感で頭が変になるんじゃないかと怖くなる。それなのにもっと感じたくて腰を揺らしてしまう。
「だめっ、ゆっくり…っ…ああっ!!」
きつく抱き締められて奥まで強く突き入れられる。厚い胸板の汗と荒い息の熱が溶け合って、じっとりとした肌の感触すら快感になる。本
能の赴くままにぶつかってくる男に噛み付くように口付けて強引に舌を絡ませた。唾液も汗もどっちのものかわからない。
ヒュンケルは爆発しそうな昂ぶりをただただ私にぶつけているようだ。荒っぽいのは嫌いじゃない。激しいのも。だけどここまで激しいと
頭が真っ白になってくる。体力には自信があったのに、相手が超人に片足突っ込んでる男では話にならない。翻弄されるがまま、身体を起
こされて対面座位で深く突き上げられて、声を抑える余裕はなくなった。
「あんっ!あ!ヒュンケル、んん………ん……っ……!」
キスされて突き上げられて、快楽を与えられ続けた身体は再び簡単に達してしまった。痙攣しているのに構わず裡を責め立てられて、頭の
中まで蕩 けていく。耳元で囁かれて、低い声と熱い息のかかる感触だけでぞくぞくする。
「
、愛してる……!」
「ああ、だめ、イッてる、んっ!イッてるの、イッ、突い、ちゃっ……!……!」
激しすぎる責めに絶頂が止まらない。怖いくらいに感じてしまう。首を振っても責めは緩むことなく、逞しい首に腕を絡めてしがみつい
て、ただただ身体の奥まで愛される快感を受け止めた。頭がどうにかなりそうだ。しがみついたままで何度絶頂しただろう。乳首が肌に擦
れる刺激ですら声が出る。
腕を解いて仰け反って、頭の中がびりびり痺れっぱなしの私の中で、ヒュンケルの力強い律動が続いている。胸を吸われて、お尻の肉を掴
まれて、獣に食べられているかのように激しく抱かれる。逞しい分身で最奥をがんがん貫かれて、感じたことのない快感が体中を侵してい
く。遠慮もへったくれもない雄っぽい突き上げで快感が止まらない。
「ッ…
、出すぞ…!」
「うんっ、ん……っひん…っ、……っ!!!」
一際激しい突きで気絶しそうな快感で満たされて狂いそうなほどの絶頂で意識が飛びかける。ヒュンケルの分身が引き抜かれて、熱い白濁
がお腹の上いっぱいに飛び散った。終わった。頭がどうにかなるかと思った。息も絶え絶えで身体を離そうとして身じろぎしたら、ヒュン
ケルの両手が私の腰を強く掴んだ。
何事かと思って顔を上げると、彼の分身は吐精したというのに全く萎むことなく堂々と天を衝いていた。そんな馬鹿な。普通一回出したら
しばらく休憩、という私の常識は砕かれ、柱のように怒張するソレに纏わりついた白濁を乱暴に拭い取ったヒュンケルは、こちらの制止も
聞かずに第2ラウンドを開始した。
「ひっ!?」
片足を持ち上げられて大きく開かされて、露わになった秘所に再び太いモノが穿たれた。再度始まる律動に、絶頂を終えたばかりの身体が
易々と狂わされていく。腰をぶつけながら開いた脚の膝裏を舐め上げられて、裡がきゅんと締まる。分身を締め付ける反応を気に行ったの
か、
ヒュンケルは舌で執拗に膝裏を舌で愛撫する。内壁を逞しい男の証で擦られる度に秘所が蜜を溢れさせ、シーツの一部が濡れてじっとりとしはじめているのが無性に恥ずかしい。
「だめ、も、ゆっくり、お願、あん!」
「
、
……!」
ダメだって何度言っても止まってくれない。ヒュンケルは完全に理性が飛んでいるらしい。昨日煽り倒したのが悪いのか。でも昨日は本当
に、今日の大会の為にコンディションを完璧にしたかったのだから仕方ない。今日はもう、我慢して一晩付き合うしかない。
足を抱えた体勢から体位を変えて、再度腰を打ち付けられる。体位を変える、というかヒュンケルが素敵な腕力で勝手に私を抱きあげて好
きなように抱いてしまっている、というのが正直なところだけれど、そんなことに構っている場合じゃない。
「やんっ、んむ、……ん、んんぅ…!」
今度は背面座位で、後ろからヒュンケルに抱きしめられた状態で下から激しく突き上げられ、キスで呼吸まで奪われて、快感の波が頭の中
を掻き回す。唇が離れたら乳房を強く弄られて、刺激でまた達してしまった。
何処をどうされても感じてしまう。相性がいいんだろうか。それとも私の体質に変化があったのか。わからないけれど、一つだけ言える事はこの夜が長くて激しいものになるとい
うことだ。後ろから再び強く責められて、意識が朦朧としてきた。これ以上続けたら頭のネジが飛 ぶ。
「うあ……も、苛め、ないで……あはんっ!!」
秘所はすっかり熱で痺れて彼の分身を咥えこんでいる。愛液で濡れた彼の硬い分身に突き上げられる度に身体が快楽に堕ちていく。
「
……オレの、
……!」
「あんっ!ヒュンケル、だめ、ひ、ああ!ああッ……!……!」
スパートで滅茶苦茶に突かれ、奥を抉るようなピストンで頭の中を駆け巡る快楽に思考回路まで焼かれるようで、はしたない声をあげて絶
頂させられる。ヒュンケルの分身が再び引き抜かれて、お尻に熱いものがかかる。身体は激しく痙攣して、頭がぼーっとして、擦り上げら
れ続けて火照った内壁のひりつくような甘い痺れが小波のように頭の中で小さく火花を散らせている。後ろのヒュンケルは熱い呼吸を繰り
返して力 が抜けた私の身体を抱きしめている。
「……は……あ……」
秘所から引き抜かれてお尻に放たれた白濁した液体はどろりと垂れてシーツを汚していく。これで、2回目。1回出すまでがすごく長い。
そういう人なのか、それとも今夜は初めてだから暴走してるだけなのだろうか。いつもこんなだったら、身体が持たない。
今度こそ終わったと思い、身体を離してベッドに横になり休憩しようとした時、再び腰に手をかけられてぎょっとした。身体を浮かせて両
膝 の間から後ろにいる彼の様子を見れば、彼の魔剣は未だに健在で。
「う、うそでしょ……!?」
「すまん
、まだ、足りん……ッ!」
「ああんっ!!?」
強く貫かれて快感が脳髄まで駆け上がる。むしゃぶりつくような責め方が続く。
食べられる。貪欲な求めは結局止まらず、明け方近くに私が気絶して終わった。
喉が枯れ果てて、寝落ちする前に考えていたのは、次回からは2回まで、という回数制限についてだった。
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