ブログに書いた没ネタAです。
@と同じ残骸なので完成しませんし書きかけのまんまです。
どうしてもこの場面だけ書いてみて!というのがあったら、リク次第では書きますが、せいぜい掌編程度にしかなりません。

概要
こちらも夢主がヒュンケルを好きになってないです。しかも帰れないことを知らないので、帰る方法を探しに一人で旅に出ると決意。
が、ヒュンケルとラーハルト2名からアプローチをかけられ、びっくりして堪らず飛び出したら追いかけてこられたというもの。
こっちの兄さんはアクティブです。槍使いもアクティブです。
夢主は帰りたいので二人をソデにしますが諦めてもらえず悩み、二人とケンカもします。
旅の途中で三角関係が進んだりギクシャクしたり、年相応、等身大の三人を描くつもりでした。

最終的には帰れないこと判明し、吹っ切れた夢主が長兄か槍使いに告白しておしまいにするつもりでしたが、これも@と同じく、長い!
書くのは楽しいだろうけど長い!テンポが悪い!!
所詮夢だからいいっちゃいいんだけど、イヤでも…ええい仕方ない!完結できる気もせんし没!!ってこと。

細かいネタはいっぱいありましたし、立ち寄る街の設定も勝手に捏造しましたがあえなく断念。
ってか書いてるだけで疲れそうで無理でした。しゃーないしゃーないあるあるや。



アプローチは兄さんがいきなりちゅー、ラーハルトが首にキッスをぶちかまします。
で、夢主パニック。
二人を警戒しながら旅に出る予定を立てます。




こっちも1シーンしかなく地の文章すら書いてない所もありますが、それでもよろしければ以下から、どうぞ!!

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*パプニカの食堂でご飯食べてたらロックオンされた*

うわ居たよ銀髪の方が。気まずい。気まずすぎる。自分に対して発情している男の近くになんか寄りたくないに決まってる。
そりゃ私もこいつの性格も見た目も嫌いじゃないんだけど、こっちが盛り上がらないうちにグイグイ来られると引くんだよね。
こういうのってお互いのバランスが大事だと思うんだけど、こいつ多分何も考えてないな。というわけでさりげなく目を逸らしたが遅かった。
目の前の席に座られた。確か男って好きな子の正面を陣取りたがるんだっけ。すごいなセオリー通りだよ。

「……あからさまに避けられると傷つくんだが」
「警戒してんの」
「そうか。なら悪い気分ではない」
「なんでよ?」
「意識されているという事だろう?」

あんたその甘いマスクでその台詞ってどうなの。女を誑かす悪い男だと思われかねないぞ。
私は年上のオジサマなんかに冗談で言われ慣れているから今更どうとも思わないけど、これが初心な女の子なら一発で股開…いかんいかん今のは良くないな。

「…口説き文句なんてどこで覚えてきたの」
「本心を素直に伝えているだけだ」
「こんな場所で言うと遊んでる男だと思われるよー」
「なら何処で言えばいい?」
「…はあ、もう…」

よーく理解できた。こいつは天然で女タラシだ。純粋に思ったことを言ってしまうから余計に性質が悪い。
これがもっと明るい女好きキャラなら「またまた〜上手いこと言って!」って笑ってかわせるけど、根が真面目で本気だからかわし方が難しすぎる。
あんまりきつく言うとトラウマ作っちゃうし、かといってかわさないとこっちが押されて困る。どうする私。

「楽しそうだな」
「!」

後ろから聞こえた声は聞きたくない声でもあった。
ヒュンケルに気を取られていたからうっかりしていた、ここにはもう一人私の悩みの種が居るんだ。
ラーハルトはさも当然と言わんばかりに私の右隣に陣取った。

「ちょっと何で隣に座るのさ」
「空いてるからだが?」

そりゃそうでしょうね!そいつはすいませんでしたね!

、こっちに来たらどうだ」
「いやいやラーハルトがあっちに行けばいいでしょ狭いって」
「どこに座ろうとオレの勝手だ」

やってらんない。
でも食事はまだ終わっていないし、私しっかり噛んで食べるタイプだから(ダイエットのためにね!)時間がかかるしどうしようか。
二人をちらりと見て、さっと視線を戻す。
ダメだ、こいつらの目は完全に獲物に食らいつかんとする獣の眼だ。
どこかで聞いた、男が女を見つめる時は獲物に照準を定めようとしているんだと。
こんな超パワー系な男と死んでも生き返ってくる男に完全にロックオンされようものなら魔翔脚で地の果てまで逃げても追いかけられそうで怖すぎる。
うわこっわ。想像したら鳥肌たっちゃった。やっぱり早く食べ終えて逃げよう、と思っていたら後ろからイヤな会話が聞こえた。

「見ろよあれ、なんて派手な泥沼だ…」
「白銀の踊り子をあの二人が落としにかかってるらしいぜ」
「流石は 様…奪い合う男のレベルもハンパねえ…」

うん、君達の誰か代わりに盾になってくれないかな。おっぱい触らせてあげるって言ったら協力してくれるかな。
無理かなー無理だよねこの人たち地上最強クラスの戦士だもんねそうだよね…。

「…ん?青マイタケ、食べないのか」
「あー…匂いが苦手なんだよね」
「ああ、なるほど…」
「「食べてやろうか?」」
「いいえ克服します今ここで。」

すごいね、盛りのついた男の熱視線で好き嫌いまで克服できちゃったよ。
美味しくないよー青マイタケ…でもこいつらに食べさせるくらいなら食べてやる…!

***





*旅に出ようとしたら野郎共がついてきた*

よし、逃げよう!

「予想通りの行動だな」
「……!?」

なんなのこいつら。こういう時に限って動きがいいとか、腹立つんだけど。
女1人に男二人がかりってどうなの?口を塞いで呪文を阻止するなんて力技過ぎやしないか。良いんですか正義の使徒として。誇りある竜騎衆として。
このヤロー放せ!と思って荷物を振り回したら今度はそれをラーハルトが後ろからひょいと取り上げてヒュンケルに投げた。
だからどうしてこういう時に限っていつも以上に仲良しなんだお前らー!!

「返してよ!」
「これは預かる」
「横暴!意味わかんないっ!」

こうやって阻止される可能性があったから彼らには一言も出立の日を言わなかったのに、間違いなくリークされている。
情報源は確実にパプニカの女王様だ。力ずくで止めに来るなんてどんだけ飢えてるんだこの男達。
人としては好きだけど男女の関係になりたいかどうかってのは別だ!

「女の旅は危険だ。行かせられん」
「お前は肝心な所で抜けることもあるしな」
「「同行する。」」
「いや、ちょ、はあぁ!?」

って違う!そうじゃない!何言ってんのこの人達!?まずいよ完全に恋で頭がイカレてる!
行かないでくれ!って止めに来たんじゃないの!?ついてきちゃうの!?マジで!?
私の頭がパニックを起こしかけている時、城のバルコニーから麗しのパプニカ女王と美人姉妹の声が聞こえてきた。

「うっわあ〜!見てよマリンあれ修羅場の予感だわ〜vvv」
「んもー姫さまったら……ええ修羅場ですわね!!!」
「ヒュンケルーー!絶対に さんを落とすのよ〜〜〜!!」

お嬢さん方ああああああああああああああ!!!!?

「行こう」
「いやいやおかしいでしょ!?」
「食料はどこで調達する気だ」
「えっ!?えと、森で適当に調達するけど……」
「馬鹿言うな。お前の分は町で見繕っていけ」
「ああうん、えっ、だからおかしいって、えええ!?」

神様、どういう事なの。

***




*ヒュンケルに髪留めを贈られて空気読んでつけてたらラーハルトに見つかった*

「……お前、その髪留め」
「うん?」
「そんなもの持っていたか」

やっちまったああああ外すの忘れたああああ!!!
私に気があるんだから他の男に貰ったもんつけてたら意識するよねそうだよね!!

「んー……ついさっき、市場で貰って(嘘は言ってないぞー誰にって言わないだけだぞー)」
「そうか」
「変?」
「いや」

絶対疑ってるよー。やばいよーー!!切り抜けろ私、誤魔化し倒せ!!

「……あ、でもずれてきた。いいや取っちゃお」
「いいのか」
「うん」

だめだ、こういう時は火種を視界から消すしかない。ここにヒュンケルが戻ってくる前に部屋に戻れば、

「まだ食べていたのか」

戻ってらっしゃったああああああ!!!なんてタイミング悪いんだこいつ!!もうちょっとオバちゃんとイチャイチャしててよ!!

「おかえりー。オバちゃんにこき使われたって?」
「少し手伝っただけだ」
「飯は?」
「まだだ。これから…………」

ヒュンケルの言葉が止まった。うん、気付かれたなこれ。だめだなこれ。冷や汗出てきた。
ていうかなんで私こいつらにこんな気ィ使ってるんだろ泣けてくるんですけど。


「うん?あ、飲み物頼む?メニューこれね。私も何か頼もうかなー」
「ああ……髪ど「すいませーん!ハチミツ酒1つー!」

聞くな!ここで聞くな!後にしてお願いだから!!青い人の眉間に皺が寄ってんの気付いてるでしょ!?
しかし私の必死の無言の懇願も空しく、爆弾は落とされた。

「髪留め、使わないのか」

ラーハルトの眉が今、ぴくってなった。

「……や、なんかずれちゃって、外したんだよねえ……」
「ならオレが付け直そう。貸してくれ」
「や、あの、あとでいいっていうか」
「髪が邪魔になるだろう」
「あの、でもちょっと飲むだけだし?」

察してよ、今ここで使うとなんか雰囲気険悪になるんだよ、ていうかあんた本当はわかってやってんじゃないの!?
ダチでしょ!?こういうのどうなの!?ダメなんじゃないの!?友情はどうしたー!!
私の内心のテンパリ具合など露知らず、今度はラーハルトが立ち上がった。何する気だ。

「見せてみろ」
「ハイ……」

既に私に拒否権は無い。
ラーハルトは私の手からヒュンケルに貰った髪留めをひょいと取り上げて、私の後ろに回った。精神的に死にそう。
青い手は硬直している私の横髪をさらりと掬い上げ、あっという間に髪留めで挟んで留めて、何事もなかったかのように席に戻った。
これなに?どういうこと?もう意味がわからないんですけど。

「これなら緩まん」
「アリガトウゴザイマス……」
「かまわん。手先はこいつよりオレの方が器用なんでな?」
「……ほう……?」

なんか今、火花の音がバチィッって聞こえた気がする。

「はは…………すいませーんウイスキーロック追加でー!!」

泣きたい。


***