賑やかなパーティー会場から離れた庭に一人で立っていたのは、自称・稀に見る美男子、雲のジュウザだ。
本人が自称するだけ会って、パーティー用の正装も大人っぽく決まっている。
庭に出て、何をしているのかと様子を伺っていると、ジュウザが私の気配に気がついたらしくこっちを振り向いた。

「よう、こんなとこで何してる。
あ、もしかして俺に逢いに来てくれたとか?
なかなか大胆じゃねえか、

会うなり軟派モードのジュウザにどう反応すればいいやら固まっていると、ジュウザがあっという間に近づいてきて私の腰を抱いた。
早業だ。

「これから二人でエスケープしちまうか?
…と、言いたいところだが、まずは感謝のメッセージが先だな。
いつも来てくれてサンキュ。お前の顔見るの、結構楽しみにしてるんだぜ?
管理人じゃないが、お前が来てくれるおかげで、俺がここにいる意味もできるってもんだ。
ありがとよ、

顔が近い!!
一応もがいてみるけれど、ジュウザは離すつもりはないらしい。
仕方なく抵抗を諦めて恨みがましく見上げると、ジュウザは苦笑した。

「そんな顔すんなって。いくら俺でも、会うなりとって食いやしないぜ」

でも、とジュウザは少しばかり切なげな表情で続けた。


「…今夜くらい、独り占めさせてくれよ。いいだろ?…」


寂しそうなジュウザの言葉に、私はゆっくりと彼と共に時間を過ごす事になった。

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