全くあの万年下半身男は!と気恥ずかしくなりながら会場入りすると、長い金髪が視界に飛び込んできた。
思わずぶつかりそうになってよろめくと、金髪の人物に抱きとめられた。

「おい、危ないだろう」

抱きとめてくれたのは南斗孤鷲拳のシン。
初登場で半裸のおねーちゃんをはべらし全裸で登場、更に下半身部分の白抜きで読者の度肝を抜いた彼である。
そして同時に、一人の女性への愛を生涯貫いた一途な男だ。

「全く、ようやく来たのか。
お前がいないと意味が無いのだぞ、主賓が遅れてどうする?
ふむ……まあいい。
その分いつも俺に逢いに来てくれているしな。
10000HITを記念して、乾杯でもするか」

シンはそう言うとシャンパンのグラスを2つ持ってきて、一つを私に寄越してくれた。

「今日はこのような騒がしい場所での乾杯になるが…次は、二人きりの部屋で愉しく飲もう。いいものが入ったからな、お前も気に入るはずだ。では…」

チン、とグラスがぶつかり、高い音を立てる。

「我が愛しのに、乾杯」


パーティーはまだ始まったばかり。

会場の中を見渡す