階段を昇ってみると、廊下の端で休んでいる人がいる。
ランプに照らされた顔をじっくり見てみると、意外な事に北斗の末っ子、最強の北斗神拳伝承者、ケンシロウだ。
フォーマルな服装が暑苦しいのか、タイを外して休憩しているらしい。
まさか気合でタキシードをはちきれさせたりなどしないだろうかとハラハラしていると、向こうがこちらに気づいた。

「…。来ていたのか」

はあ一応、呼ばれましたし、と答えると、ケンシロウは目を細めて微笑み、こちらに近づいてきた。

「よく来てくれた。いつも来てくれているのだと、管理人から聞いている。
わざわざ大切な時間を割いてくれていること、感謝する。
そしてこうしてお前に会えることにもだ。
このサイトもお前が居てくれねば続いていない。
有り難う、

ケンシロウはそういうと、穏やかに笑いかけてきた。
あまり笑うところを見た事が無かったので、貴重なものを見たような気分で嬉しくなっていると、予想外の言葉が付け加えられた。


「話す事は得意ではないが…俺で良ければ、いつでも逢いに来てほしい。
俺はをいつもここで待っている」

その言葉を素直に嬉しく受け取り、私はそろそろ会場に行くと言って彼との対話を終えた。

さて、次は誰に会えるかな