噴水の前に立って一人で何か考えている様子なのは、拳王ことラオウだ。
パーティーには参加しないのだろうか。
邪魔をしないほうがいいのかな、と会場に戻ろうとした私の足だが、思いがけずに木の枝を踏んづけて軽い音を立ててしまった。
当然それにラオウが気がつかないはずも無く、振り向いてみればこちらを見ているラオウと目が合った。
「か…主賓がこんな所で何をしている」
あなたの姿が見えたので、と答えると、ラオウは何も言わずに僅かに笑った。
「まあ良い。お前は主賓だ、好きに行動しても文句は言われまい。
管理人がお前に感謝しておったぞ。
10000HITを記念してのこの宴もお前のためのものだ。
寛いでゆけ」
世紀末覇者に気を遣われるなんて恐縮だな、とそわそわしていると、ラオウが近づいてきて手を伸ばせばお互いに触れられる距離で立ち止まった。
「…一つお前に言っておこう」
「?」
なんだろうと見上げると、ラオウはにやりと笑い私に言った。
「今は俺からは逢いに行けぬが、いずれお前もこの手にしてみせる。
その日まで待っていろ、良いな」
予想外の告白とも取れるその言葉に硬直していると、ラオウはしたり顔で私の隣をすり抜け、会場に向かって行った。
そして固まっている私に声をかける。
「何をしている!ついて来い、。夜はまだこれからだ」
やっぱり覇王様。
サウザーとは違った強引振りだけど、やっぱりラオウはこうでなくちゃ。
ラオウの後を追いかけ、私はパーティーを楽しむ事にした。
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もう
ちょっと館を探検しようかな。エントランスの階段を昇ってみる
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