希望を言えば、もう少し自分に対してのガードが薄くなってくれるといい。これでもかなり緩くなってきたし、軽いキスくらいならば機嫌のいい時だけ許して貰えるけれど、それでも。
「理性を抑え続けるのも、大変なんだ」
君は知っていてこうしているんだと、わかっているけれど。 起こさないように囁いて、頬を撫でるだけでもと柔らかい肌に指を這わせた。滑らかな肌は少し冷えてしっとりと指に吸い付く。舐めたら甘いのだろうか。途端、欲望が理性を断裂させそうになって、首を振る。何も知らずにただ眠る彼女が羨ましい。
、君がいつか私を受け入れてくれるなら、私はどれだけでも待とう。
けれど、そうだな、できれば――― 眠りこける君
眠り姫を間近で見たらこんな感じだろうか。昼間は顰め面ばかり見せる彼女の寝顔は、あどけなく愛らしい。
しかしいくら眠り姫のようだといっても、寝込みを襲って口付けでもしようものなら、頬を叩かれ蹴りを食らわされこの家から閉め出されるだろうことはよくわかっている。彼女はそういう性格だ。
「もう少し、近い将来だとありがたい」
むりやりうばうようなことはしたくないから。
ちょ、にいさん落ち着け!