扉を開けて私を出迎えたのは、北斗の次男、トキ。
いつもとは雰囲気の違う、黒いタキシードを着ている。
マイナスイオンでも発しているのではないかと思うほどの癒し系スマイルで笑いかけてくるものだから、びっくりして私は頭を下げた。
慌ててお辞儀をした私に、トキは小さく笑いながら私の手をそっと握って言った。

「やあ、さん。よく来てくれた。
管理人に代わって私から、当サイトの10000HITのお礼を言わせてもらおう。
いつも私達に逢いに来てくれてどうも有り難う。
小さなサイトだが、君が来てくれるからこそ、こうして続いているんだ。
夢の中でもまたさんに逢えることを祈っている。
今日は他の連中も君に挨拶がしたいらしいから、存分に楽しんでいってくれ」

少々臭い台詞のような気もするが、楽しめといわれて楽しまないわけにはいかない。
照れくさくなって会釈をして広間に向かおうとした私に、トキが擦れ違う瞬間に何か呟いた。

「勿論、私だけに逢いに来てくれれば…一番嬉しいのだが」
「……!」

ばっちり聞いちゃった。でも他の人にも会いたいので会場の扉を開ける

よく聞こえなかったけど、まあいいや。とりあえず目の前の大きな階段を昇ってみる